晦−つきこもり
>六話目(真田泰明)
>2B4

俺は揺り椅子に行き、等身大の人形を見た。
多少汚れているが、手入れの行き届いた人形だ。
「そろそろいこうか」
俺はみんなにそういった。
そして、扉の方へ歩くとみんなも集まってくる。
扉はいつの間にか閉まっていた。

たぶん、最後に入った誰かが閉めたんだろう。
俺はノブに手をかけ、回した。
(あれ………)
ノブが回らなかった。
鍵が掛けられていたんだ。
この屋敷の扉は内側にも鍵穴がある。
(あ、あれ………)

俺はあわてて鍵束を出すと、鍵を開けようとした。
そしてノブを取り、それを回すと、扉はスーッと開く。
(あ、開いた………)
俺は狐につままれたような気分だった。

「泰明さん、どうしたんですか………」
河口君が乗り出して、そう聞く。
「い、いやあ………」
俺は不思議に思いながらも、その部屋を出た。
そしてみんなも続く。

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(→全ての部屋を回った場合)