晦−つきこもり
>六話目(真田泰明)
>2D4

俺はその黒ずみの痕のところに膝まずき、あらためてじゅうたんを見た。
「ほんとうに血かな………?」
そんなことを呟きながら考えていると、花田さんの声がした。
「その黒ずんでいるのは、血の痕に間違いないな」
花田さんはじゅうたんを見つめ、そう答えた。

「かなり広範囲に広がっていますね」
彼を見上げ、俺はそう感想を述べる。
「そうだな、もし子供だったら死んだかもしれないな………」
すると口元に笑みを浮かべ、そんなことをいった。

「そんな真剣な顔するなよ。冗談だよ。冗談」
花田さんは明るく笑う。
(そうなんだ。もし、死んだとしても百年前の話だ………)
俺は立ち上がるとみんなにこういった。
「そろそろ、次の部屋に行きましょうか」
そして俺は扉の方へ歩きだす。

俺達は部屋を出た。

(→二階廊下に戻る)
(→全ての部屋を回った場合)