晦−つきこもり
>六話目(真田泰明)
>2T4

俺は暖炉の所へ行く。
暖炉の所には河口君がいた。
彼は暖炉の中を覗き込んでいる。
「泰明さん、奥に何か燃やした跡があるんですよ………」
俺が行くと、彼は暖炉から顔を出し、そんなことをいった。

「どうしたんだ、河口君、変な顔をして………」
俺は彼のその不信を抱いているような顔の、原因を聞いてみた。
「いや、何か動物の骨のような物の燃えかすがあるんですよ………。普通、そんなもの暖炉じゃあ、焼きませんよね………」
確かにそうだと思った。

普通は薪をくべる。
「ネズミか何かが、迷い込んだんじゃあないか………」
俺は嫌な予感を振り払おうと、そういった。
「でも、かなり大きな骨でしたよ………」
彼は更に首をかしげる。
俺たちは壁にぶち当たった。

そのとき、吉川が俺達の沈黙にピリオドを打った。
「泰明さん、そろそろ行きましょうよ」
振り返ると、吉川が扉のところで震えている。
「ああ、そうだな」
俺は彼にそう返事をする。

「河口君、明日確認してみよう」
俺は河口君の顔を見て、そう促した。
「そうですね」
彼は笑いながら、そう答える。
そして俺達は、扉に向かって歩き出した。

「何か、あったんですか」
吉川は不安そうな顔をして、そう俺達に聞く。
そして俺は彼らの所に着くと、こう答えた。
「いや、大したことじゃあない………、さあ、行こうか」
俺がそういうとみんなは食堂を出た。

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