晦−つきこもり
>六話目(真田泰明)
>2U4

俺は並べてお面が掛けてある壁の所へ行く。
俺は壁のお面の一つを見た。
その面は、木を彫刻して作った物のようだ。
(いったい、どこの民芸品だろう………)
俺は考えた。
ラワンか、何か、熱帯の木のような気がする。

しかし、俺はその面がどこのものか判らなかった。
並べているお面は百面相のように、それぞれ違った表情をしている。
(アフリカの方の物かな………)
それらは結構大きく、盾のようにも見える。

俺はその中の一つをとって裏を見た。
(持つところはないようだな………)
そう納得すると、面を戻した。
一瞬、目が光ったような気がした。
(えっ………)
しかし次の瞬間、その光は消えていた。

(あれ、気のせいだったのかな………)
俺は他の面も見渡したが、何の異常もなかった。
(月明かりか、何かが反射したのかな………)
自分を納得させようと、そんなことを考えた。

「泰明さん! そろそろ行きましょうよ」
吉川が扉の所でそう叫んでいた。
扉の所にみんな揃っている。
「ああ、今行く」
俺はそう答えると、扉の所に歩き出した。
そして俺達は、その部屋を後にする。

(→一階左廊下に戻る)
(→全ての部屋を回った場合)