晦−つきこもり
>六話目(真田泰明)
>3G3

俺達はさっきの婦人の部屋に来た。
部屋は静まり返り、奇怪な事件の現場とはとても思えない。
みんなは部屋の各所に散らばり、鍵を探し出している。
(早く鍵を探さなければ………)

宝石のあった場所にいった。
この部屋で鍵を落としたとすると、その場所だと思ったからだ。
俺は膝を付け、床をなめるように見渡した。
部屋のあちこちで、みんなの足が右往左往している。
鍵はそこには無かった。

俺はもう一度ライトを隈無く床に当て、鍵を探す。
しかし、そこから鍵を見つけだすことはできなかった。
俺はさっき見た宝石が気になった。
宝石を取り出し、もう一度俺は月明かりにかざした。
また、吉川の悲鳴が轟いた。

俺はさっき、吉川が化け物が映ったといった壁を見た。
そこには魔物が映っていた。
(あ、魔物なのか………)
俺は呆然として、その姿を見つめる。
みんなも壁を声を出せずに見つめていた。
漫然と時が過ぎていく。
急に部屋が暗くなった。

(どうしたんだ………)
宝石を見ると、輝きを失っている。
(月が………)
ツタの間に差し込んでいた光が、無くなっていた。
月が雲に隠れたようだ。
俺は急いで宝石を箱に閉まった。

「や、泰明さん………、さ、さっき俺がいった話、ほ、本当だったでしょ………」
吉川が呟いた。
「とにかくこの屋敷を出よう」
俺は扉の方へ走る。
そしてみんなも扉に向かった。
俺達は部屋を後にする。

(→二階廊下に戻る)
(→全ての部屋を回った場合)