晦−つきこもり
>六話目(真田泰明)
>3L3

俺達は書斎に入った。
中は気のせいか、さっきより重苦しく感じる。
(早く鍵を探さなければ………)

俺はさっき見ていた、本棚のところにいった。
そして床に膝をつけ、這うように鍵を探す。
ライトの光を隈無く床に当てたが、その光が鍵を浮き上がらせることはできなかった。
(この部屋にはないのか………)

俺の心に、あきらめの気持ちが芽生えてくる。
しかし俺はもう一度、床にライトを当てた。
部屋のあちこちに、ライトの光が行き交っている。
鍵は見つからない。
俺は立ち上がった。
そして俺はさっき手に取った、本の辺りを見る。

「あれ………」
本の近くに、小さな金属片があった。
「か、鍵だ………」
俺はそれを手に取った。
みんなも俺の声を聞きつけたのか、背後に駆け寄ってくる。

「泰明さん………、あったんですか」
吉川は息を切らせ、うれしそうな声を出して俺に尋ねた。
(違う………)
しかしそのとき俺は、心の中でそう呟いていた。
「どうしたんですか………、泰明さん………」
吉川は、不安そうに呟く。

「これは玄関の鍵じゃない………」
みんなは肩を落として、息をもらした。
「この部屋にはないみたいだな………」
花田さんがそういうと、その言葉に従うかのように、みんなは扉に向かった。

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(→全ての部屋を回った場合)