晦−つきこもり
>六話目(真田泰明)
>3O3

俺達は書斎に入った。
中は気のせいか、さっきより重苦しく感じる。
(早く鍵を探さなければ………)

さっき見ていた机の所にいった。
そして俺は机の周りをぐるぐる回り、床にライトを照らした。
(ないな………、机の下か………)
俺はそこで床に膝をつき、這うようにして机の下にライトを当てる。
しかし鍵は見あたらなかった。

(無い………、この部屋じゃあないのか………)
俺はあきらめて、立ち膝で机の上を見た。
そこにはさっき見た、不気味な置物が置かれているだけだった。
(えっ………………)
机の上にある、置物のしゃれこうべが笑った。

俺の体は、金縛りにあったように動かない。
しゃれこうべの笑い声は、頭の中をエコーがかかったように反響する。
しかし俺は催眠術でもかかったように、恐怖心がなかった。
そして動物の骨が怪しく光りだす。

(綺麗だ………)
その光に俺は見とれていた。
「………さん、………明さん、泰明さん」
俺は我に返った。
そして振り返ると、そこに河口君がいた。
河口君は俺の肩を揺すっていた。

「どうしたんですか………」
心配そうな顔して、河口君は俺の顔を覗き込んだ。
(あ、あのしゃれこうべは………)
俺はまるでバネのように体を反り返し、机の上を見た。
しかしそこには、ただのしゃれこうべの置物があるだけだった。

「いや………、確かに………………、何でもない………」
俺は立ち上がった。
「泰明さん、この部屋には鍵は無いみたいですよ」
河口君は残念そうに呟く。
「別の所を探しましょう」
そしてそういって、扉に歩き出した。
みんなも扉の方に歩き出す。

俺達はその部屋をあとにした。

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(→全ての部屋を回った場合)