晦−つきこもり
>六話目(真田泰明)
>3R4

みんなは各々のところに探しにいった。

俺は時計の所にいった。
そしてその辺りの床に、ライトの光を当てる。
(無いな………)
そこには何度光を往復させても、鍵は見あたらない。
(この部屋じゃあないのかな………)
そう思い俺は腰を伸ばした。

そしてその時、あの掛け時計が鳴り出した。
俺は驚き、心臓が激しく鳴り出す。
俺は時計を見た。
その時計の針が十二のところで重なっている。
そしてホッとして視線を下ろしていった。

掛け時計の前を覆うガラスに俺が映っていた。
(あっ、俺か………)
そう安堵したが突然、時計が激しく動きだす。
そしてガラスに映る自分の姿を見ると、その姿は見る見る老人の姿になっていった。
俺はその恐怖に悲鳴を上げ、部屋を出た。

そして俺は床にうずくまり、頭を抱えた。
「泰明さん、どうしたんですか………」
河口君が部屋から飛びだし、俺の所に駆け寄る。
他のみんなも、俺の周囲に集まってきた。

「泰明さん………」
河口君も俺の横に膝を付け、そう聞いた。
「か、顔が………」
俺は頭を押さえていた手を下ろし呟いた。

「顔………、君の顔がどうした。
美しすぎて怖い何ていうなよ、ははっ」
花田さんはそういうと笑い出す。
「えっ………」
俺は手で顔をなでた。
手の感触は、いつもと変わらなかった。

「泰明さん、からかわないで下さいよ」
吉川はホッとしたように、そう呟く。
(錯覚だったのか………)
俺はやっと、冷静さを取り戻すことができた。

「ところで泰明君、鍵は………」
花田さんが思い出したように俺にそう聞く。
「あ、ありませんでした………」
俺は、今までのことをごまかすように答えた。
「そうか、じゃあ部屋を出よう」

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(→全ての部屋を回った場合)