晦−つきこもり
>六話目(真田泰明)
>3AA4

(あれ、もしかして、さっきの鍵………)
俺はさっきの鍵を取り出した。

鍵が開いた。
「ここの鍵はなかったんじゃあないんですか………」
河口君は当惑しているように、俺に聞いた。
「いや、さっき見つけた手帳に挟まっていたんだよ」
俺は河口君を振り向いていった。

そして俺はまるで当たり前のようにその部屋に入った。
みんなが俺に続く。
あの吉川も何もいわないであとに付いてきた。
中は真っ暗だった。
俺達のライトは部屋の中を交錯する。
部屋の中には何も家具らしいものはなかった。

そして天井の片隅にライトに光が当たったとき、突然、コウモリが飛び交った。
コウモリは扉を飛び出し、この部屋を飛び出す。
「な、何だ、コ、コウモリか………」
吉川はホッとしたような声を漏らした。

俺は部屋の中を、あらためて見回す。
そして俺のライトは、床に何か置かれているのをとらえた。
「なんだ………」
みんなも、床に置かれているものに注目した。
ライトの光は、次々とそれに集まってくる。

「か………、棺桶………」
それは自分の声では無いようだった。
「は、早くこの屋敷をでましょうよ」
吉川は完全に怯えきっている。
「そうだな」
俺はそういうと振り返った。
しかしみんなは、まだあの棺桶を見つめているようだ。

扉が開くような音がした。
俺はその音の方を振り返った。
棺桶の蓋が少しずれている。
そしてまた、その音がなった。
俺はみんなを促し、部屋を出る。
みんなが出たことを確認すると、俺は鍵を閉じた。
扉の向こうで物音がする。
俺達は扉を離れた。

(→一階向かいの扉の中に戻る)
(→全ての部屋を回った場合)