晦−つきこもり
>六話目(山崎哲夫)
>T6

えっ、何か誤解してない?
ンバンバ族って、別に恥ずかしい言葉じゃないよ。
今日の葉子ちゃん、ちょっと変だぞ。
いいかい、おじさんがちゃんと教えてあげるからな。

ンバンバ族の『ンバ』っていうのは、首を意味する言葉なんだよ。
彼等は戦闘に勝つと、敵の干し首を作って首にかけるんだ。
干し首をより多く持っている者が、勇敢で偉いとされているんだよ。

自分の目の前には、干し首を何個も下げた男が立ちはだかっていた。
知ってる? 葉子ちゃん。
人間の首って、頭蓋骨を抜いて干すと、手のひらでつつめるくらいに小さくなるんだよ。

そんなものをワシャワシャつけた男が、すぐそばにいたんだから。
おじさんは思わず叫んでしまったんだ。
1.ぎゃーって?
2.助けてーって?
3.惚れたぜって?
4.おならプーって?