晦−つきこもり
>六話目(鈴木由香里)
>AG1

ついに私の番が来たようだね。
まったく、みんなの話のどこが怪談だっていうの?
変なのばーっかりで、ちっとも怖くないじゃん!
こんなんじゃ死者なんて蘇りっこないよ。
もっとも、その方がいいって人もいるみたいだけどさぁ……。
ねぇ、葉子?

えっ? そんなことないって?
強がりいっちゃって。
まぁ、いいや。

それじゃ、話を始めようか。
この季節ってさぁ、なんだかやたらと冠婚葬祭が多いんだよね。
今日の集まりが婆さんの七回忌でしょ。
私さぁ、ついこの前、結婚披露宴に出席したばかりなんだ。

誰の?って聞かれても困るんだけど……。
1.もしかして由香里姉さんの……?
2.ひょっとして好きだった人の……?
3.まさか、全然知らない人のっていうんじゃ……?