晦−つきこもり
>七話目(山崎哲夫)
>A4

駄目だわ、のどが渇いてしょうがない。
仕方ないけど、水を飲みに行こうっと……。

私は布団から抜け出すと、月明かりの差し込む廊下を歩いていったわ。
しんと静まりかえった家の中に、ミシッ……、ミシッ……っていう、廊下の軋む音だけが響く……。
私一人が、取り残されちゃった……?
そんな気さえするの。

いつもなら、こんなこと思いつきもしないけど……。
こういう月明かりの夜だと、子供っぽい空想も現実味を帯びてくるから不思議ね。
本当に、みんな眠ってるだけなのかしら?
寝息一つ聞こえないけど、この広い家の中に、私一人しかいないってことはないよね。

……なんだか不安だわ。
1.他の人の部屋を覗いてみる
2.大声を出して人を起こす
3.おとなしく水を飲みに行く