晦−つきこもり
>七話目(山崎哲夫)
>E3

お開きにしようっと。
だって、眠くってしょうがないんだもの。
みんなもさっきからアクビばっかりしてるし……。

「それじゃあ、時間も遅くなっちゃたし。もうお開きにして寝ましょうか」
すると、その言葉を待ってましたとばかりに、みんなは大きくうなずいたの。
やっぱり、みんなも眠かったのね。
みんな、それぞれの泊まる部屋に戻っていく……。

私が開かずの間を出る時、部屋に残っていたのは泰明さん、ただ一人。
なんだか、自分の石をじっと見つめて考えごとをしてるみたい。
邪魔するといけないから、そっと開かずの間を出たわ。

部屋に戻って布団に入ると、あっという間に私は眠りに落ちた……。
そして、夢を見ていたの。
泰明さんの夢。
夢の中で、泰明さんは私にいったわ。
「葉子ちゃんはお人形さんのようだね……」
って…………。

……どれくらい眠っていたのかわからないけど。
目が覚めた時、一番最初に目に映ったのは泰明さんの顔。
……もしかして、まだ夢の続きなのかしら?
そんな気がしてる……。

「葉子ちゃんは、お人形さんになりたくないかい?」
……ほら、やっぱり夢の続きなのよ。
夢だから、何て答えてもいいのね。
なんて答えようかなぁ……。
1.なりたい
2.なりたくない