晦−つきこもり
>七話目(鈴木由香里)
>A5

<そうか……、聞こえたんだね、あの死霊たちの声が……。知ってるかい? 死霊の声が聞こえるのは、その人が霊に魅入られた証拠なんだよ>
……そ、そんなぁ!
私、まだ死にたくない……!!

<ふっふっふ、安心したまえ。霊に魅入られたからといって、すぐに死を連想するのは、
お・馬・鹿・さ・ん。
誰も君を殺したりはしないさ>
……そうなの?

<ああ、そうとも。そもそも、君たちは『七回忌の晩に怖い話』という神聖な儀式を始めたにもかかわらず、誰も怖い話をしなかっただろう。それで、魔力が中途半端で、この世に蘇ることができないって死霊たちが怒ってるのさ>
……そうだったの…………。

やっぱり、こういうことって面白半分でやっちゃいけないことなのね。
私、今までにないくらい、真剣に反省したわ。
<でも、僕は君たちに感謝しているよ。なぜって? 君たちの話のおかげで、絶滅の危機にあった僕の一族が復活できたんだからね>

……はぁ。
あの、よく意味がわからないんですが……?
<そうかい? じゃあ、みんなの話を思い出すといい>
みんなの話……?

えーと、みんなの話って…………?
1.宇宙人の話
2.私の好きな人の話
3.変な人の話
4.忘れちゃった