晦−つきこもり
>三話目(前田良夫)
>C4

……わかんない。
でも、俺にいつも、グチこぼしてたよ。
こんなとこ、本当にいたいわけないって。
捜してるものさえ見つければ、すぐに出てってやるってさ。

うちにいるヤツ全てを、憎んでるみたいだった。
だけど、そのうち急にやさしくなったんだ。

俺、嬉しかったな。
だって、あいつって普通にしてれば、やさしそうで可愛い顔してたんだ。
ニコニコしてくれるだけで、俺はあいつのこと、好きになったよ。
それが、どんな意味を持ってるかなんて……考えもしないで。
そうだ……あの頃、うちには小鳥がいてさあ。

いつも二羽で、なかよくさえずってたっけ。
あるとき、俺は小鳥のカゴの前へ、連れてかれたんだよ……。
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目をつむったままの、良夫の顔が曇った。
ちょっと苦しそうに見えるわ。
どうしよう?
1.肩を揺すってみる
2.話しかける