学校であった怖い話
>一話目(新堂誠)
>O4

ああ、俺は行かなかった。
だってそうだろ?
霊界への扉なんて、信じられるかよ?
俺は布団に入り、そのまま寝ることにしたんだ。

だがな……やっぱり眠れないんだ。
目をつぶると、あいつのニタニタ笑う顔が何度も何度も頭に浮かぶんだ。

人間の笑い顔ってのは、気味悪いもんだぜ。
目尻にしわがよって、口がだらしなくユルむだろ?
まぶたの奥にあいつの歯と、傷口から覗いた肉の様な色の舌がちらついてな、
どうしても眠れないんだ。
俺は真っ暗な部屋の中で、ただ時計の音を聞いていた。

その時だ。
急に時計の音が聞こえなくなったんだよ。
何か別世界にでも入り込んだような気分だった。
音が無いんだよ。
何も聞こえないんだ。

俺は目を開けようとした。
そうしたら……。
目も開かないんだ。
目が開かなくなっていた。
だが、見えるんだ。
映像がまぶたに浮かぶんだよ。
あいつの……吉岡の顔が。

今度は笑っていなかった。
あいつの顔は、緊張したようにこわばっていた。
そして、まっすぐ俺の目を見て言うんだ。

「新堂君……」
吉岡は手鏡を持っていて、それを俺に向けていた。

……こんな時、お前ならどうする?
1.その手鏡を見ないようにする
2.吉岡の手を払いのける
3.命乞いをする
4.踊るしかない