学校であった怖い話
>一話目(荒井昭二)
>A1

僕は、二年B組の荒井昭二といいます。
それじゃあ、僕が最初の話をしましょう。

あのー、突然ですが地縛霊って知ってますか?
浮かばれない霊が、
成仏できずにその場所に居着いてしまうことを、地縛霊って言うんですよ。

例えば、よく呪われた家とかあるでしょう?
その家に住んでいる人は何も心当たりがないのに、霊に悩まされてしまう。
夜中に呻き声が聞こえたり、誰もいないはずの部屋で足音や物音が聞こえてくる。

そのうち、家族の誰かが病気になったり、突然の不幸にあったり……。
ついには、死んでしまうことさえある。

それで、引っ越しをすると、今までの出来事がまるで嘘のようになくなってしまう。
これは、その家についている地縛霊の仕業ってことが結構あるんですよ。
その場所についている霊だから、そこにやってきた人の問題ではないわけですね。

そして、その人がいなくなれば、また次にやってくる人を、ただじっと待っている。
生前、深い恨みを持ったまま死んだ人が、地縛霊になる場合が多いと言われてます。
最も、人ばかりではなく、動物や自然的な力が作用するものもあるらしいですけど。

地縛霊を消すには、お祓いをするのが一番なんですけれど、中にはお祓いではどうすることもできない強力なものもあるんです。
そういう場所は、もうただ、放っておくしかありません。
誰も、手を出すことができないわけですからね。
今の日本にも、結構多いんですよ、そういう場所。

で、僕たちの学校にも、そういう場所があるの知ってます?
その場所に行くと、なぜかよく転んでしまうんですよ。
しかも、骨折したり、ひどく腫れ上がったり。

ただ転ぶだけなのに、手や足に大怪我をするんですよ。
別にねじったわけでもなく、そこにくぼみや、でっぱりがあるわけでもない。

なのに、そういう事故が絶えないんです。
そういう場所は、やっぱり地縛霊がいるんじゃないかと……。
僕は、そう思うんですよ。

もっとも、そういう事故があったと言っても、もう二十年以上前の話なんですけどね。
今は、そういうことは起きません。
いえ、起きないからといって、地縛霊がいなくなったわけじゃあないんです。

今も、ちゃあんとそこにいるんですよ。
でも、事故は起きなくなった。
なぜだと思います?
1.お祓いをした
2.人が入れないように何かを作った
3.気まぐれな霊なので、今は眠ってる