学校であった怖い話
>一話目(荒井昭二)
>J2

霊なんてものは、気まぐれなものだったんですね。
「ちょっとひと休み」ですか?
いい気なもんです。
あ、ちょっと不謹慎でしたか。

当時の先生方はね、事故がよく起きることを見て見ぬ振りをしていたんです。
それからも何件か事故があったそうなんですが、大事に至らなかったこともあったからなんでしょうか。
そりゃあ、もちろん生徒の方があそこには近づかない方がいいって気を付けていたせいもあるとは思うんですけどね。

そのうち、その場所での事故がなぜか起きなくなってしまったからなんですよ。
いえ、事故が起きなくなったんじゃなくて、僕たちがなにも知らないだけなのかも……。

そして、そのことを知っている生徒や先生は、卒業や転勤でいなくなってしまい、いつしかそんなことも忘れ去られてしまったようです。
でも、今もし眠っていると仮定したら、いつかは起きてしまうことでしょう。

いえ、ひょっとしたら僕たちが気づかないうちに、もうとっくにその眠りから解放されているのかもしれない。

いえね、ちょっと最近小耳に挟むんですよ。
え、その場所ですか?
今では……、ほら、その窓から見えるでしょう。
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