学校であった怖い話
>一話目(荒井昭二)
>C3

驚きました?
そうです、焼却炉なんです。
何でそんなものを、作ったんでしょうねえ。
そして、この話を知っていましたか?

当時、二年生だった神谷真由子さんは、校内でも指折りの美人でした。
やはり現代っ子というのでしょうか、自分のウェイトコントロールには、ちょっとうるさかったんです。
ダイエットなんて当たり前でした。

「真由子って、ほんっとーに小食よね」
「あなた達も少しは気にしないと、そのうちブーチャンになっちゃうわよ」
「いいんですよー。私たちは、育ち盛りですからねーだ」
なんて、ふざけたりしていました。

そんなある日、体育の時間でしたか、彼女はちょっとした足の痛みを訴えて保健室につれて行かれたのです。

「大変!これは骨折の症状だわ。早く病院に行って手当てしないと!」
「でも、ただ走ってただけで骨折なんかするものなんですか……。イテテッ」
「担任の先生には、ちゃんと伝えておきますから、私と一緒に、すぐ病院に行きましょう」

保健の先生に連れられ、病院でレントゲンを撮りました。
やはり骨折とのことで、手当てを受け保健の先生と一緒に、医者の話を聞いたんです。

普通の骨折というのは、外部から強い力が加えられて骨が折れてしまうことをいうんです。ですが、彼女の骨折はそれではなく、骨が非常にもろくなって折れてしまうものだったんです。

最近は、彼女のように若い人にもよく見られる症状なんだそうです。
まだ、十七才の少女の身体を蝕んでいたんですねえ。
かなり重度だったそうです。
ダイエットをしていたせいなんでしょう。
十七才といったらまだ育ち盛りなのに、無理なダイエットがたたったんですね。

その医者は、彼女に正直に話したらしいんです……。

「十二才で初潮を迎えていたはずなのに、もう閉経の兆しがある。多分、生理が止まっている状態にあるんじゃないのか?あと、細胞の崩壊を認めている。栄養失調の気もある。最近は、こういった患者さんが多いんだけど、ここまでくるのに何でもっと早く気づかなかったのか?」
と……。

そして彼女は、しばらく入院することになりました。
しかし、長年の蓄積された結果です。
そう簡単に良くなるはずもありません。

日増しに、顔のシミやしわも増えていくような気がしてなりません。
今朝も、ブラッシングの時に髪の毛がごそっと抜けてしまいました。
「私は、これから一体どうなってしまうのかしら……」

そして、ある日病院を抜け出した彼女は、きちんと制服に着替え、学校へと向かいました。
校門をくぐり、しばらく歩くと向こうから誰か歩いてきます。
1.女子生徒が歩いてきた
2.男子生徒が歩いてきた