学校であった怖い話
>一話目(荒井昭二)
>F4

そうなんですよ。
ほかの園芸部員たちが一生懸命に面倒を見たにもかかわらず、
花は次第に枯れ始めていったんです。
一生懸命といっても、やはり早坂さんにはかなわなかったんでしょうねえ。

美しく華やいでいた花壇は、あっという間に見る影をなくしました。驚くことに、雨に強い紫陽花までもが、どういうわけか枯れてしまったんです。
みんなは口々に、早坂さんのことを寂しがって花が枯れてしまうのだと言い始めました。

それでも、彼女は元気になりませんでした。
仲のよかった園芸部員たちが、お見舞いに行くと、
「みんな、元気?
しおれていない?」
そう、彼女は尋ねました。
自分の身体よりも、花のことが心配で、つい話題といっても学校の花壇のことになってしまうのです。

園芸部員たちは、顔を見合わせて黙ってしまいました。
本当のことは言いづらいし、かといって嘘をついてもいいものかどうか……。
彼らは、なんて言ったと思います?
1.花は無事だと嘘をついた
2.花は枯れてしまったと本当のことをいった