学校であった怖い話
>一話目(福沢玲子)
>G2

うん。
だから私、しばらくそっと様子をうかがってたの。
早苗ちゃんの震えがおさまらなかったら、先生を呼びに行かなきゃ、とか考えながら。

早苗ちゃんは、いつまでも震えていたわ。
でも、よく見ると……。
震えてるんじゃないみたい。
毛布の中で、何かモゾモゾやってる感じなの。
私、何だか見ちゃいけないものを見たような気になって、ちょっと隠れたの。

そしたら、早苗ちゃんは……。
ムクッって起きて、保健室から出て行っちゃったの。
青い顔をしながらね。

具合悪いのにどこ行くんだろう、って思ったけど……。
私、早苗ちゃんがベッドで何をしていたのかが気になって、ちょっとベッドを調べてみたの。
そしたら、枕カバーの中から……。

……聞きたい?
教えてあげたら何くれる?
あはは、冗談、冗談。
あのね、枕カバーの中から、小さな紙きれがでてきたの。
早苗ちゃんは、これを入れる為にもぞもぞしていたみたい。
その紙切れには、一言、
「ケツ」
って書かれていたの。

ちょっと、何笑ってるの?
私は、その紙を見た時、すごく怖かったんだから。
だって、「ケツ」って……。
1.「決める」って言葉を隠すなんて……
2.「お尻」のことでしょ?
3.確かそんな名前のアイドルがいたような……