学校であった怖い話
＞二話目（新堂誠）
＞E5

「……別に。俺はただ、ふらっとしてただけさ」
天のじゃくの佐久間のことだ。
あんなに待ち焦がれた飴玉ばあさんに、ついに会えたっていうのに強がりを言っちまったのさ。

それでも、ばあさんはすべて見通しているかのように、笑ったんだ。
「そうかい。そういう子が、あたしゃ好きなんじゃよ。ひねくれちまって、よっぽど嫌な人生を送ってきたんじゃのお」

そんなことを言われて、佐久間がむっとしないわけがない。
「うるせえなあ。お前なんか、待っちゃあいねえよ！　さっさと消えちまえよ！」

心では思っていないことが、ついつい口から出てしまう。
言ったあとにしまったといつも思うんだけれど、後の祭りさ。
それで、失敗ばっかりしてるんだ。

佐久間にそんなことまで言われても、ばあさんは笑うばかりだった。

「そんなに冷たくしないでおくれよ……。あたしゃあ、お前さんの前に一度しか現れないんだよ。
長い人生の中で、たったの一度きりだよ。それを自分から放棄するなんて、もったいないと思わないかえ」

ばあさんには、わかっていたのさ。
佐久間が、ばあさんを必要としていたことがな。
それで佐久間はどうしたと思う？
１．会いたかったと答える
２．冷たくあしらう