学校であった怖い話
>二話目(風間望)
>A5

部室は、重い沈黙に包まれた。
風間さんの話は、本当にこれで終わりなのだろうか?
僕は、不安に思って尋ねてみた。

「……あのう。これで終わってしまったんでしょうか?」
「ああ、そうだよ。僕は三つも話してしまった。
約束では、一人一つじゃなかったのかい?
もう、満足だろ?」

「……いや、でも、その、なんていうかもうちょっと具体的な話をしてもらいたいんですけれど」
「わがままな奴だな、君は。まあ、仕方ない。僕は、四つも話すつもりじゃなかったけれど……」
風間さんは、悩むように頭を抱えた。
今度こそ、本当に怖い話をしてくれるんだろうか。

風間さんは長いため息をついた後おもむろに話を始めた。
……実はな、三年に沢見つかさって女がいるんだ。
細くてつり上がった目をした、頭のいい女なんだがな。
あまり、かわいくないんだ。

彼女、まじめなんだか、つき合いが悪いのさ。
誰が誘おうとも、決して誰ともつき合おうとしないんだ。
男でも、女でも、だ。
いつも、さっさと帰ってしまう。
クラブにも入っていないしな。

僕はね、ある日、彼女の秘密を偶然に知ってしまったんだよ。
彼女には、誰ともつき合えない秘密があったのさ。
何と、八つも進学塾に通っていたんだからな。
終わり。

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1.これで本当に終わりなのか尋ねる
2.次の人の話に移る