学校であった怖い話
>二話目(細田友晴)
>A2

僕も、そうしたよ。
やっぱり、泣きそうな顔をしている女の子を放っておくわけにはいかないからね。
念のため、中に入って実際に染みを見てみることになった。

正直、ドキドキしたよ。
もちろんその染みを見ることにさ。
別に、女子トイレに入ることにじゃないよ。
一応、断っておくけど。

入って、僕は心臓が止まるかと思った。
ものすごい霊気だった。
ほかの霊気とは全然、質が違うんだよ。
周りに霊気を発するんじゃなくてその場に、ため込んでしまう陰湿な霊気なんだ。
何かの怨念がそこに留まっていることは、僕にもすぐにわかった。

除霊をしないと、このままでは大変なことになる。
それでも、そんなこと先生に言っても、まじめに聞いてはくれないだろう。
何か、事件が起こるまでは……。
「ねえ、やっぱり何かあるの?」

僕の不安そうな表情を見て取った女の子が、震える声で聞いてきた。
僕は、なんて答えるべきか、正直、迷ってしまったよ。
1.何もないと答える
2.このトイレは使わないほうがいいと忠告する
3.先生に報告するべきだという