学校であった怖い話
>三話目(新堂誠)
>A5

田所は、顧問の先生に文句をいいに行ったんだ。
だが、それでどうなるものでもなかった。
キャプテンの件は部員が決めたことだから、嫌ならみんなで話しあえといわれたんだ。

田所は、部員に話をした。
自分をキャプテンに戻してくれとな。
でもみんなは、口を閉ざして何もいわないんだ。
田所は悔しくてしょうがなかった。
自分は、バスケットが好きで好きで仕方がない。

けれど、学校のバスケ部は、それをわかってくれないどころか邪魔までする。
これは、自分の才能をねたんでいるのか、もしくは才能のないほかの部員たちの嫌がらせだと思った。

まったく、勝手な奴ってのは、どこまでも勝手なもんさ。
自分のいいようにしか解釈しないんだからな。
ほとんど、サイコ野郎だぜ。

それでな、そんな心のひねくれた連中と一緒にバスケを続けていくのは自分のためによくないと考えたのさ。
まったく、どっちがひねくれてんだか。
で、結局バスケ部を辞めることにしたのさ。
これには、誰も反対しなかった。
逆に喜んだくらいさ。
邪魔者がいなくなるってな。
どっちもが互いに邪魔者だと思ってるんだから、幸せっていえば幸せだよな。
結局、丸く収まったんだし。

それで、部室内の自分の荷物の整理をしたのさ。
自分のロッカーだけでなく、部室中を引っかき回してね。
何か役に立つものでもあれば、もらっていってしまおうと思ったのさ。
まったく、最低の野郎だよな。

それで、大掃除のように机からロッカーからひっくり返して、あれこれ捜し回った。
ほとんど大掃除というよりは、部室内で暴れて荒らし回ってるようなもんだぜ。
それでな、ロッカーを引きずり出すと、その隙間から一冊の薄汚れたノートを見つけたのさ。

名前のところは染みになってて、誰のものだか読み取れなかった。
中を開いてみると、昔のバスケ部のことがいろいろと書かれていた。
何代も前の先輩が、日記でも付けるかのように、バスケ部での出来事を書き記していったんだろうな。

はじめは何の気なしにパラパラと読んでいたけれど、次第にその内容に引き込まれていったのさ。
いったい、どんなことが書かれていたと思う?
1.バスケ部に関する愚痴や不満
2.田所に関する話
3.悪魔の呼び出し方
4.昔問題になったある事件