学校であった怖い話
>三話目(岩下明美)
>B10

絵は、彼女の家に戻っていたの。
しかも、彼女の部屋のベッドの上にね。
もちろん、誰かが持ってきたりしたわけじゃないのよ。
家族の人は驚いたでしょうね。
でも、もっとびっくりすることがあったの。

次の日になると、彼女の家からも絵が消えてしまったのよ。
知らせを聞いた美術部員の一人が、もしやと思って美術室に行ったの。

そうしたら……あったのよ。
元と同じ位置にあの肖像画がね。
大騒ぎになったわ。
でも放課後になると、絵はまた姿を消した。
そして、彼女の家に現れたの。
それでみんな、ようやく気づいたのよ。

あの絵は、死んだ清水さんの代わりに学校に通っているんだってね。
それから毎日、絵は学校に通ってきたわ。
でも、何か害があるわけではないし好きにさせてあげようってことになったの。

清水さんの家族も、それを望んでいたしね。
そうして数ヵ月が過ぎたある日のこと。
大変なことが起きたのよ。
どんなことだと思う?
1.彼女の家が火事になった
2.彼女の家族が交通事故に遭った