学校であった怖い話
>五話目(新堂誠)
>A6
「これか……? 近所のこっとう品屋で買ったのさ。掘り出し物だったよ」
大倉はそれだけいうと、またゲームに没頭しだした。
でも、俺もそれだけ聞けば、ヤツになんか、もう用はないからな。
その足で、早速こっとう品屋に向かった。
ヤツが急に強くなったのは、きっとあのカードのせいだ。
同じものを手に入れれば、俺もギャンブルが強くなるかもしれないじゃないか。
こっとう品屋の場所は、すぐわかった。
表通りから、一本裏に入ったところだったけどな。
俺は、そういうことには鼻がきくのさ。
狭くて、陰気な感じの店だったな。
何百年も前からそこにあったような、ほこりをかぶった壷やら、仏像やらが並んでた。
それに混じって、あったのさ。
例の、ドクロのトランプだ。
サイズも作りも同じだった。
唯一違っていたのは、ドクロが男だったことだな。
大倉のトランプは、左半分がドクロで、反対が青ざめた女だろ。
俺のはその逆で、右がドクロで左が男の顔なんだよ。
とにかく、俺は喜んでそれを買ったよ。
でも、店の親父が変なことをいってたな。
「もしも、そいつの恋人とめぐり会っても、絶対いっしょにしてはいけない」
……なんてさ。
そのときは、特に気にしなかったけど。
で、それから、俺はギャンブルに強くなったと思うか?
1.強くなった
2.変わらなかった