学校であった怖い話
>五話目(風間望)
>E4

信用していない。
そんなこと、あるわけないから。
けれど、率直にそんなことはいえないので、とりあえずうまくごまかした。

「……あのう、信用してないわけじゃないんです。ただ、風間さんにいわれるだけでは、説得力に欠けるんですよ。ですから、何か簡単でもいいですから、みんなが納得するような証拠を見せてほしいんです」

風間さんは、あごをしゃくりながら何か考えているようだった。
そしておもむろにニヤッと笑った。
いいよ。
わかった。
それじゃあ証拠を見せてあげよう。
誰か、水の入ったコップを持ってきてくれないかな?

……ありがとう。
それをテーブルの上に置いてくれ。
そう、そしてその上に一枚の厚紙を乗せてくれ。
……そして、その紙の上に、真ん中に十円玉を置く。
……いいか、見てるんだぞ。

これから僕は、この紙に手を触れないで、十円玉を見事コップの中に落とすからな。
いいか?
1.ちょっと待て。これは僕にもできる
2.何だか凄そうだ。黙って注目しよう