学校であった怖い話
>五話目(風間望)
>H3

「いい加減にしてください!! 風間さんはそんなにまでして、この企画をめちゃくちゃにしたいんですか!?」
僕は、思わず叫んだ。

「そ、そんなに熱くならなくてもいいだろう、坂上君。僕は別に、この企画をぶち壊そうなんて、これっぽっちも考えていないよ。まあ、落ちついて。とかく人間は、自分の理解できないものにはそうやってムキになるものさ」

風間さんは、思ったより冷静に僕の態度を受け止めた。
僕は、急に大きな声を出したことが恥ずかしくなった。
「風間さん……。さっきはすみませんでした。あんな、大声を出してしまって……。つい……」
僕は、彼に謝った。
そして続けた。

「……あのう、信用してないわけじゃないんです。ただ、風間さんにいわれるだけでは、説得力に欠けるんですよ。ですから、何か簡単でもいいですから、みんなが納得するような証拠を見せてほしいんです」

風間さんは、あごをしゃくりながら何か考えているようだった。
そしておもむろにニヤッと笑った。
いいよ。
わかった。
それじゃあ証拠を見せてあげよう。
誰か、水の入ったコップを持ってきてくれないかな?

……ありがとう。
それをテーブルの上に置いてくれ。
そう、そしてその上に一枚の厚紙を乗せてくれ。
……そして、その紙の上に、真ん中に十円玉を置く。
……いいか、見てるんだぞ。

これから僕は、この紙に手を触れないで、十円玉を見事コップの中に落とすからな。
いいか?
1.ちょっと待て。これは僕にもできる
2.何だか凄そうだ。黙って注目しよう