学校であった怖い話
>五話目(風間望)
>N3

証拠を見せろっていうのかい?
風間さんは、しばらくあごをなでたあとに、こういった。
僕はね、混乱を避けるためにあくまで人間として振る舞ってきたんだ。

だからここで何が起こっても、他言無用だよ。
いいかい、わかったね。
そういって、彼は宙を指で丸くなぞった。

すると、彼が丸く指でなぞったところに、ぽっかりと黒い穴が開いた。
その穴は、黒をベースにいろんな光の帯が渦巻いていた。
ここが、僕たちの住んでいるところさ。
彼は、そういうとその穴に顔を突っ込み、おどけて見せた。
彼は、その黒い穴を指で閉じていった。

僕たち、異次元に住むヤパーレ人は、高度な文明を持っているんだ。
僕たちから見れば、君たちは非常に原始的な生活を送っているように見えるよ。
僕は、異次元から派遣された精鋭部隊の一人なんだ。
なんで、派遣されたかって?

僕たちが住んでいた異次元の星は凶暴な異次元星人・ヒデブ人の襲撃にあったんだ。
お陰で、僕たちは脱出船に乗って逃げるはめになったのさ。
僕たちは、好戦的な種族ではないからね。
暴力的な、争いは好まないのさ。
だったら、いっそのことよそへ移ってしまえばと……。

それで、新しく移住できるところを探していたのさ。
今は、異次元の狭間でみんな僕たちの地球の調査結果を待っているんだ。
ほかにも、我らの同志が新しく移住できそうなところを物色してるんだけど、なかなかうまくいかないんだ。

まあ、いまのところ地球が移住の第一候補なんだけどね。
あ、心配しなくていいよ。
僕たちは、先住人を大事にするからね。

そう、僕たちはかわいそうな種族なんだよ。
そう思うだろ?
1.かわいそうだね
2.なにいってんだ