学校であった怖い話
>五話目(細田友晴)
>A1

皆さん、こんにちは。
いよいよ、この会も終わりに近づいてきましたね。
……どうも、七人目の方は現れないようですけど。
まあ、それはさておき、僕の話を始めましょう。

僕の名前は細田友晴。
二年生です。
坂上君、体育館の脇に、今は使用禁止になったトイレがあるのは知ってるよね。

使えないのに、ずっと放置してあるあの薄汚いトイレだよ。
あのトイレって気味悪いよね。
スペースも無駄だし。
直して使うか、もしくは取り壊してしまえばいいのに……。

でもね、直すに直せない、壊すに壊せないわけがあるんだよ。
出るんだよ、あそこには。
どんなにお祓いをしようが、どんなに偉い人を呼んでこようが、あそこだけはだめなんだよ。

あ、皆さん、申し遅れましたが、僕はとても霊感が強いんです。
それも、トイレに関しては特にね。
自分でも不思議なんですけれど、トイレに近づくと不思議な霊気を感じ取ってしまうんですよ。

その僕でも、あそこだけは近づきたくありません。
あそこに漂っている霊気は、一種独特でほかとは霊気の質が違うんです。

なんていうか……人間のものじゃないんですよ。
ねえ、坂上君、何だと思う?
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