学校であった怖い話
>五話目(細田友晴)
>A6

坂上君が、見たいっていうなら僕が案内してあげる。
さあ、ついたよ。
ここが、そのトイレさ。
僕と細田さんは、薄暗いトイレに踏み込んだ。
冷たくジトッとした空気が、頬にまとわりつく。

「これが、その文字盤だよ……」
細田さんが、文字盤を指さした。

確かに、文字盤の文字は薄汚れてはいるが、しっかり読みとることはできる。
その文字の上に、どす黒い血のような汚れがついている。
「坂上君! 見て!!」

細田さんが、もう一度文字盤を指さした。
するとどうだ、文字盤の壁には青いサビのついた十円玉がへばりついていた。
「どういうことだ!?」
僕たちは、金縛りにあったようにそこから動くことができなかった。
なんと、その十円玉は勝手にするすると動きだした。

(こ・こ・へ・な・に・を・し・に・き・た)

『ここへなにをしにきた』
その文字が指した。
「ただ、通りがかっただけです」
僕はいった。
「どうしよう。こっくりさんが勝手に降りてきちゃったよ! 早く帰ってもらわないと!」
細田さんは焦っていった。

(う・そ・を・つ・く・な)

『うそをつくな』
また、文字が指す。
冷や汗が背中をつたう。
僕たちは、本当に怖くなってしまった。
1.こっくりさんに帰ってもらう
 (かえらないぞ)
 (かえらん)
 (だめだ)
 (わかった)
2.逃げる