学校であった怖い話
>五話目(細田友晴)
>I3

それが一番いいよ。
自分の人生なんてさ、そう簡単にわかってたまるかってんだ。
気休めだよ。
僕は霊は信じるけど、占いは信じない。
でも、霊で占いをするとしたら別だけどね。

坂上君て、こっくりさんは知っているよね。
そうそう、あの鳥居と文字を書いて硬貨で占うやつだよ。
彼はね、こっくりさんを得意としていたんだ。
それで、彼のやるこっくりさんはよく当たったらしいよ。

あれは、霊を呼び出して占うという危険なものなんだよね。
はっきりいって、あれは低級霊が降りてくるんだから。
上級の霊が、降りてくるわけないんだよ。

こういった、人間の不純な願いに応えてくれるのは、その心の隙間に入り込もうとしている低級な霊しかいないんだよ。
結局は……。

それを、面白半分でやろうなんてみんないい度胸しているよな。
僕のいとこでもさ、面白半分でこっくりさんをやったら、霊が帰ってくれなくなっちゃったんだよ。
いとこの家は、小さな工場を持っていたんだけどね、それから少しして倒産に追い込まれ、悲観した従業員が工場で首吊り自殺。

初もうでに行った、いとこのお爺ちゃんが神社の階段で将棋倒しで死亡。
いとこの兄貴は大学受験に失敗して、それからずっと予備校生。

いとこ自身も、特殊な病気にかかってあっけなく死んでしまったんだよ。
これが、いとこがこっくりさんをやってから三年以内にすべて起こったんだ。

いや、確かに偶然かもしれない。
だけど、偶然にしてしまうにはあまりにも怖い話だよね。
前の話に戻るよ。
その、占いの得意な彼なんだけどね。
彼もね、おかしくなってしまったんだよ。

なんでも、彼の場合もこっくりさんが帰ってくれなくなったとかいう話だけどね。
狐憑きって知ってる?
まるでそんな状態だったって。
学校には来ていたれど、ほとんど授業には出ていなかったらしい。
それで、あの例のトイレによく行っていたって。

みんな、特に彼には興味がなかったのか、彼がそこで何をしていたかは知らなかった。
先生が見たそうだけど、彼はトイレの壁いっぱいにこっくりさんの文字盤を書いていたそうだよ。
そして、十円玉を持って笑っていたって。

まあ、彼はそこで首を吊ったというのが結末なんだけどね。
今でもどこからか十円玉が現れてその壁の文字盤の上をするすると動いているときがあるっていう話。

やっぱり、これだけじゃ信ぴょう性がないよね。
先輩から聞いた話を、そのまま受け売りで話しただけだからね。
それでね、まだこの話の続きがあるんだ。

坂上君、この話の続きに興味ある?
1.興味ある
2.なし