学校であった怖い話
>六話目(荒井昭二)
>G5

別に、不思議に思わないんですか?
それは、坂上君が人形の存在を信じていないからでしょう。
しかし、事実、毎年必ず一人は死ぬんです。

しかも、みんな金井さんのような状態になるんですから。
僕は、不思議に思いましたよ。
それで、人形の話を知っている人たちにいろいろと聞いてみたんです。
そしたら、一つの事実がわかったんですよ。

まず先生には被害が及ばないそうです。
ですから、関係ありません。
そして、その生徒というのは、学校に入る前から選ばれているそうなんですよ。
あくまで噂ですよ。
でもね、校長先生は、知ってるんですって。

この学校の入学試験の合格者の中に、どういうわけか最低一人は不合格者が混じっているそうですよ。
そして、それは人形が選んだ生けにえなんだそうですよ。

だから、毎年数人は、この学校に本来受かるべきでなかった生徒が紛れ込んでくるんです。
それを校長先生は、わかってるんですよ。
わかっていて、入れるんです。
その生けにえとなるべき生徒をね。

人形が、本来生けにえになる人ではない、他の人を気に入る場合もあるそうで。
そうすると、生けにえが替わるとか……。
逆に、自分が生けにえになってしまったばあい、逃げられる方法が一つだけあるらしいんです。

これは、成功する確率は非常に少ないらしいですがね。
でも、恐ろしい話だと思いませんか?

でもね、その人形は、生けにえをもらうことを条件に、あらゆる大会でこの学校を優勝に導いたり、一流大学へ何人もの現役合格者を出したりするそうですよ。

……あくまで、噂でしかありませんけどね。
ですから、もしかしたらこの中の一人がそうかもしれないんです。
坂上君、それはあなたかもしれませんよ。

……これで、僕の話は終わりです。
どうやら、七人目も来ませんし、無事この集まりは終了したようですね。
1.それでは帰りましょう
2.ちょっと待ってください。
もう少し、金井さんの話を詳しく話してください