学校であった怖い話
>六話目(細田友晴)
>J16

ここまできたんだし、もういいんじゃないだろうか。
僕はそう思った。
そうっと後ろに下がる。
ところが、その時。

ノックの音が響いた。
僕じゃない。
細田さんでも、他の誰かでもない。
他の……?
僕は、ハッとドアを見た。

ノックは、ドアの向こうから聞こえる!
間違いない。
この中には何かいる。
「も、もう帰ろうよ!」

細田さんの顔は真っ青だった。
「うぎゃあーーーーっ!」

その時。
突然、細田さんの身体が宙に浮いたかと思うと、そのままものすごい勢いで天井にたたきつけられた。
まるで、天井に落ちるような勢いで。

「い……痛いよ。……痛いよ……坂上君」
僕は、一瞬、何が起こったのかわからなかった。
細田さんの周りだけが真空状態になってしまったのか、彼は天井で苦しそうにもがいていた。
何か、見えない力にぐいぐい押し付けられているように見える。
「……助け……て……」

細田さんは苦しそうに呻いたが、僕ではどうすることもできない。
どうする?
助けようとしてみるか?
それとも、……逃げるか?
1.助けようとしてみる
2.その場から逃げる