学校であった怖い話
>七話目(荒井昭二)
>AF5

「ねえ、福沢さん」
僕は、福沢さんの袖を引っ張った。
「どうしたの?」
「ちょっと、ほかの道をいかないかい?」
福沢さんが、きょとんとした顔で僕を見る。
突然、僕がそんなことを言い出したことがよほど不思議なのだろう。

「どうして?」
「……どうしてって。何か悪い予感がするんだ。このまままっすぐ行っちゃあいけないような……」
福沢さんは、今にも吹き出しそうに、口もとに手を当てた。
「平気だよ。坂上くんて、本当に弱虫だね。
大丈夫、大丈夫。私がついているから」

そういうと、彼女は僕の手を取って、ずんずん先に歩き始めた。
何だか、ものすごい力だ。
まずいんじゃないか?
このまま歩いていくのは、まずいんじゃないのか?
1.彼女の手を振りほどく
2.このままついていく