学校であった怖い話
>七話目(細田友晴)
>O6

そうなんだ。
なにしろ、たくさんの人が死んだ場所だからな。
その無念の思いが残っていても、不思議はないよな。
……実は、先生も見たことがあるんだ。
この壁一面に、いろんな顔がいくつも浮かび上がっているのをな。

ああ、あれは忘れられないよ。
きっと、一生忘れられないんだろうな。
何度もいうけど、こういう話は、旧校舎の中にいくつもあるんだ。
だから、不用意に入るんじゃない。
わかるな?

「……はい」
うなづくしかなかった。
黒木先生は、満足そうに笑った。
「ならば、よし。じゃあ帰るんだな」

……僕たちは、家に帰った。
それにしても、ひどいや。
確かに悪趣味かもしれないけど、僕は真剣にこの企画に取り組んでいたのに。

僕は家に帰ると、今日の出来事を思い起こしていた。
……それにしても、ずいぶんと怖い話があるもんだ。

途中で岩下さんが帰ってしまったけれど、無事だろうか。
まさか、彼女の弟が内山君だったなんて……。
もし明日学校であったら、僕はどんな顔をすればいいんだろうか。
一応、僕のほうから謝ったほうがいいんだろうか。

その時。
突然、電話のベルが鳴った。
今頃、誰だろう?
時計を見ると、もう十一時を回っていた。
どうする?
電話に出るか?
1.電話に出る
2.出ないで放っておく