学校であった怖い話
>七話目(細田友晴)
>AN6

そう、恨めしそうな声が聞こえるっていうのさ。
この学校に入って早々、その話を聞いてな。
先生は、それを確かめようとしたことがあるんだ。

この壁に、耳を当ててな。
それで、どうだったかって?
聞こえたんだよ。
誰かがうなっているような声だった。
それで怖くなって、先生は逃げ出してしまったんだ。

それから、ここには近づかないようにした。
卒業するまで、ずっとだ。
でも、それからしばらくして、同窓会をしたときのことさ。
先生は、そこで、例の壁にまつわる話の続きを聞いたんだ。
それは、時間によって声の大きさが変わるというものだった。

それも、朝は小さく、夜になるに従って大きな声になっていくというんだ。
そういえば、先生が聞いたのは、まだ昼間のうちだった。
もっと遅い時間だったら、あの声が何をいっているか、聞き取れたかもしれないな。
充分怖かったはずなのに、そんなことを考えたよ。

この学校に教師として来てからもそれを忘れたことはなかった。
機会さえあれば、もう一度、試してみようと思っていたんだ。
もう日も暮れた。
今、ここに耳を押し当てたら、どんな声が聞こえるんだろうな。

おまえたちも、興味ないか?
1.少しはある
2.全然興味ない