学校であった怖い話
>七話目(細田友晴)
>AO9

「……あのう、今日はもう遅いですから、明日にしませんか?」
それで僕は逃げたつもりだった。
明日にするつもりも毛頭なかったし、ていよく断ったつもりだった。
けれど、細田さんは電話の向こうで興奮して声を荒だてた。

「何いってるんだよ、坂上君! 明日じゃ遅いんだよ。昼間、あんなところに行って、どうやって壁の向こう側を見るっていうんだ? 夜しかないんだよ! チャンスは今しかないんだよ!」

細田さんの声は、やけに荒々しかった。
鼻息まではっきりと聞こえてくる。
……どうしよう。
1.わかりました。今から行きます
2.いい加減にしてください。僕は眠いんです!
3.一人で行ってくださいといって電話を切る