学校であった怖い話
>四話目(新堂誠)
>A4

実は、彼女の部屋の装飾なんだ。
あの部屋の壁には、いたるところにポスターが張ってあった。
アイドルなんかのものなら、やっぱり女の子だなって思うだけだけど……。
清水さんのコレクションには、まるで統一感がなかったんだ。

アイドルやアニメどころか、全然無名の演歌歌手みたいなのとか、店でくれるカレンダーの切り抜きとかさ。
どこからはがしてきたんだか、選挙ポスターがあったのには驚いたな。
必ず、人物が正面を向いていた。

今思うと、彼女はいつでも、誰かに見ていてほしかったんじゃないかな。
それこそ、朝目覚めてから夜寝るまでのあいだずっと。
俺なんかその部屋にいると、いつだって背中がムズムズしてきてさ。
居心地悪くてしょうがなかったけど、彼女は嬉しそうだった。

だから、俺は思ったんだ。
都のコンクールに出す作品に自画像を選んだのだって、たくさんの人に見てほしかったからかもしれないってな。

でも、それならあの絵は、何で恐ろしい顔に変わるんだ?
呪いなんて噂がたったら、誰も見ようとしなくなるだろ。
そんなの、彼女には耐えられないはずだ。
それなのに…………。

ひょっとして、伝えたいことがあるのか?
お前、どう思う?
1.そんなはずはない
2.彼女には伝えたいことがあると思う