学校であった怖い話
>五話目(荒井昭二)
>A1

皆さん、よろしく。
僕は、二年B組の荒井昭二といいます。
……風間さん。
下級生の僕がこんなことをいうのも何ですが、正直いって、僕はあなたのことが嫌いです。
何ですか、今のふざけた態度は。
あなたは、この企画を馬鹿にしている。

この学校にはね、本当に無数の霊がいるんですよ。
あなたの態度に、霊たちは少なからず怒りを感じているはずですよ。
あなたのような人のことをサギ師というんです。
イカサマ師というんですよ。
……あなた、少しは反省してますか?

あなたみたいな人間は、きっと反省なんかしないんでしょうね。
一生、冗談を言い続けて生きていく気なんでしょうね。
……それもいいでしょう。
あなたの人生ですから。

しかしですね、僕を巻き込むのだけはやめてくださいね。
もし僕を巻き込めば、僕は遠慮なく報復手段に訴えますからね。
……それじゃあ、話をしましょう。
今の風間さんのせいで、僕は用意した話を変えなければならなくなりました。

なぜなら、怒った霊を鎮めないとなりませんので。
……電気を消させてもらいます。

「ちょっと待った!」
風間さんが、突然電気をつけた。
どうも、かなり怒っているようだ。
風間さんも風間さんだけど、今の荒井さんのトゲのある言い方も、ちょっとひどいと思う。

怒るのも、無理ないかもしれない。
「君ねえ、ずいぶんじゃないかな。僕は、あまり暴力に訴えるのは嫌だからさ。穏便に話さしてもらうけれどさ。今の言い方はないんじゃないの?」
荒井さんが反論する。

「……どうしてですか? 僕は、正直な気持ちを口にしたまでです。
僕は、まじめな気持ちでここにやってきたんです。もっと、神聖な集まりだと思いましたのでね。それなのにあなたはそれを壊してしまった。
怒って当然じゃないですか? ここに集まった皆さんも、気分を害されたと思いますよ」

荒井さんは、ぼそぼそと呟きながらなめるような視線を風間さんに送っている。
何とも、険悪なムードだ。
どうしよう。
とめたほうがいいのだろうか?
1.とめる
2.もう少し様子をみる