学校であった怖い話
>五話目(荒井昭二)
>C3

「やめてくださいよ、二人とも!」
僕は間に割って入った。
「嫌だなあ、坂上君。まさか僕が、本当に手を出すと思ってるんじゃないだろうね」
軽い口調でいおうとしているけれど、風間さんの目は笑っていなかった。

「へえ、それじゃまた冗談だったんですか。
本当にいい加減な人ですね、あなたは。こんな人が先輩だなんて、情けないですよ」
よせばいいのに、荒井さんがいいつのる。
一旦おさまりかけた風間さんの怒りがまた燃え上がったようだった。

「そんなに殴られたいのかい? 案外、君って変な趣味を持ってるんじゃないだろうね。でも僕は紳士だからね。リクエストには応えさせてもらうよ」
グッとこぶしを握る。
こうして見ると、結構サマになっている。

風間さんはもしかしたら、すごく喧嘩の強い人なのかもしれない。
殴り合いになる前に止めた方がいいんだろうか?
1.とめる
2.とめない