学校であった怖い話
>五話目(荒井昭二)
>D5

「風間さん。ここは、荒井さんに任せませんか? 話をするのは順番的にいっても荒井さんなんですから。もしいいたいことがあるなら、荒井さんの話を聞いてからにしませんか?」
僕が荒井さんの肩を持ったことが気に入らなかったんだろうか。
風間さんはソッポを向き、ぶっきら棒に吐き捨てた。

「……勝手にすれば? それでどうなっても、僕は知らないからさ」
……仕方ない。
風間さんをなだめると、また話がややこしくなりそうだ。
ここは、荒井さんに任せることにしよう。

「……それでは、荒井さん。お願いします」
荒井さんは、小さくうなづいた。
「そうですか。賢明な選択ですね。
それでは、電気を消しますよ。あらぶる霊を鎮めなければなりませんので」

皆さんのご協力、感謝します。
なぜ、電気を消したのかお話しましょう。
怖がらなくて大丈夫ですから。
とにかく今、霊は非常に危険な状態といえます。

……正確にいうと、霊と呼んでいいのでしょうか。
私も疑問なんですが。
霊というよりも、ここにいる『何か』です。
ここには、霊感の強い人が集まっているようですね。
たった一人を除いては……。

ですから、皆さんも感じていることでしょう。
その何かの存在をね。
そしてそれが怒っていることもね。
その何かに少しでも落ち着いてもらうために電気を消しました。

その存在が危険な状態にあるということは、僕たちも非常に危険な立場にあるということですから。
これからは、僕のいう通りにしてください。

そうすれば、何とか危険を脱することができるでしょう。
いいですね?
1.はいと答える
2.嫌だと答える