学校であった怖い話
>五話目(荒井昭二)
>L4

やっぱり、上級生の喧嘩に割って入るのは、勇気がいる。
僕がためらっていると、女の子がつかつかと歩み寄った。
「やめなさいよ、あなたたち! そんなことを続けるなら、今すぐ帰っていただくわ」
きっぱりとした口調に、風間さんも荒井さんも毒気を抜かれたようだ。

今だ。
「そうですよ、今日は七不思議を話してもらうための集まりなんですから」
フォローしたつもりだったのに、女の子の視線は冷たかった。
僕が、やるべき仕事をやっていないという顔だ。
そんなこといったって。

下級生で、しかも男の僕が出ていったら、矛先を向けられる可能性大じゃないか。
仕方ないよ…………。
そう思いつつも、ちょっぴり傷ついた僕だった。

「そうはいうけどね、君。僕は、穏便に済ませたいんだよ。問題は、荒井にあるんじゃないのか? 彼が、僕に突っ掛かってきてるんだよ」
風間さんは、面倒臭そうにため息をついた。
風間さんのいうことにも、一理ある。

「……坂上君? 僕は、みんなを助けようと思っているんですよ。
不届き者のために、僕たちが呪われないようにしなければならないんですよ」
荒井さんのいうことにも、一理ある。
場を茶化した風間さんにだって責任はあるのだ。

僕は、どうすればいいんだ。
1.風間さんの肩を持つ
2.荒井さんの肩を持つ