学校であった怖い話
>七話目(岩下・福沢)
>F7

これ以上、話がこじれるのは、ごめんだ。
どうして、僕が風間さんのくだらない話につき合わなきゃならないんだ。
僕は、学校であった怖い話を聞きに来たんだ。
宇宙人と友好関係を結ぶために来たんじゃない。
僕は、もう家に帰りたい。

何だか、泣きたくなってきた。
「風間さん、お願いです。僕はもう帰りたいんです。お願いですよ。許してください。僕を解放してください」
風間さんは、僕の話を真剣に聞いていた。
そして、ゆっくりと頷いた。
……よかった。

風間さんにも、僕の誠意が通じたらしい。
「……わかった。君の任務がどんなにつらいものだったかは、噂で聞いている。帰りたいと願うのも、もっともな話だ。……あの苦しいウンタマル星での戦い。それが終わると、休む間もなく地球侵略の命令だ。

……僕が一番乗りだと思っていたのだが、さすがは、歴戦の勇士。僕より先に、地球侵略を始めていたのだからな。……わかっている。君の受けた特別な任務はわかっているよ。何てったって、歴戦の勇士だものな。君は、スンバラリア星人の鏡だものな。

……しかし、歴戦の勇士でも故郷が恋しくなるもんなんだな。僕は、少し安心したよ。何だか、嬉しい気持ちだ。わかった。僕が何とかしてみよう。スンバラリア星に帰ろうじゃないか!」
「は……?」

風間さんは、呆気にとられる僕を残し、窓際に立った。
そして、ポケットからオモチャのワッペンのようなものを取り出し、それを空に掲げた。
「本艦へ緊急通信! 本艦へ緊急通信!至急、応答願います!
至急、応答願います! OKDWJMKGPY〜?!」

突然、空が光った。
もう真っ暗だった空が、一瞬だけ昼間のように明るくなった。

「……もう、大丈夫だからね。怖かったろう。
地球は怖いところだもんな」
風間さんは、そういい、僕の背中をポンポンとたたいた。
……逃げよう。
逃げるのが、一番いい。

それしか、僕は風間さんから逃げることはできそうもない
1.逃げ出す
2.もう少しだけ様子をみる