学校であった怖い話
>七話目(岩下・福沢)
>AG4

僕は、取りあえず黙って風間さんに微笑みかけた。
「どうしたというんだい? にっこりしちゃって」
風間さんも、にこにこ笑っている。

「聞いてくれよ、実は……。僕は記憶喪失らしいんだ。地球に来る途中で、アクシデントがあってね。残念だが、スンバラリア星での生活はあまり覚えていないんだよ。スンバラリアの言語も断片的にしか覚えていないんだよ。ううっ」
僕は彼の前で大げさに悲しんでみせた。

「そ、そんな事実があったなんて知らなかったよ。そうともしらずに、僕はなんてひどいことを君にいったんだ……。許しておくれ」
風間さんは、僕のことを心配してくれているらしい。
自分の心配をしたほうがいいと思う。

今、心配すべきものは風間さんの頭のことだと思うんだけどな。
「でも、大丈夫。僕が、君の記憶を取り戻してあげるよ」
風間さんはそういって僕を見た。
そして、僕のほうへと歩み寄ってくる。
もう目の前には、風間さんの顔しか見えない。

いったい、なにをする気だろう。
彼の目を見ていると、だんだん気分がよくなっていく。
水の中に自分が浮いているようなそんな気分だ。
風間さんは、僕の額に手を当てていった。
「さあ、リラックスして。目を閉じてごらん」

僕は夢の中にいるのか、現実の世界にいるのかわからないような、とてもいい気持ちになった。
彼のいうことをきく?
1.目を閉じる
2.目は閉じない