学校であった怖い話
>七話目(岩下・福沢)
>AL2

「うわぁぁぁぁ!」
僕は、込み上げてくるものを押さえることができずに、つい行動に移してしまった。
「おっと!」
風間さんは、素早いフットワークで僕のパンチをかわした。

よかった。
よけてくれなかったら、僕は風間さんを思いっきり殴っていたところだ。
自分で起こした行動といえど、今のはちょっと軽はずみだった。
みんなも、びっくりしてその場に立ちすくんでいる。

「大丈夫だよ。みんな……。坂上君はちょっと立ちくらみがしたらしいよ。さ、心配しないで大丈夫。彼は僕が面倒見るから……」
風間さんはパンチをかわした勢いで、ちょうど僕を抱きかかえている格好になっている。

みんなは、納得したのか帰っていった。
僕は、なすがままに彼に抱かれていたわけだ。
なぜか、動けなかった。
「さあ、みんなは行ってしまったよ。
早く打ち合わせをしよう! 同志よ!」

風間さんは僕を抱き起こすと、僕の手を強くつかんでいった。
風間さんが、本当に宇宙人であろうが頭が変な人であろうが、もうどうでもいいと思った。
ちょっと待てよ、よく考えたらどうでもいいってことはない。

風間さんが、どちらの場合でもとても危険だということじゃないか。
そうだ、彼のそばにいるだけで危険なのに、どうして僕は殴りかかってしまったんだろう。

思い出しただけでもぞっとする。
これから、僕がとるべき態度はどうしたらいいのか……。
1.逃げる
2.あきらめて話し合う