学校であった怖い話
>七話目(岩下・福沢)
>A3

僕は、部室の出口にダッシュした。
「あ、坂上君!!」
風間さんが、僕を呼び止める声が聞こえるが気にしてはいけない。
とにかく、ここで風間さんと一緒にいないほうがいいに決まっている。

これで、廊下に出ればこっちのものさ。
「うわっ!」
出口の引き戸が急に閉まった。
僕の鼻先すれすれだった。
もう少し閉まるのが遅かったら、僕は脳天をドアで直撃していたかもしれない。

「坂上君、大丈夫だよ。ドアを閉めようとしてくれたんだね。ありがとう。でも大丈夫。僕が閉めたから、だれにも話は聞かれないよ」
風間さんはにこやかにいう。
彼は特殊能力も持っているのか。
そういうつもりじゃないのに、風間さんはどんどん自分のいいほうに解釈していく。

このままでは、どんどん追い詰められてしまう。
「この身体もきゅうくつだしね。あぁ、早く元の姿に戻りたいなあ。
ね、坂上君もそう思わない?」
風間さんは遠くを見つめていう。
え?
元の姿ってなんだ?

これで、ますます風間さんが壊れていることを確信した。
ここは、無理に逆らったりしないほうがいいかもしれない。
もう少し、様子を見てからのほうがいい。
無理に行動を起こしたら、風間さんになにをされるかわかったものじゃない。

「……そういえば、君。まだ本名を聞いていなかったね。せめて、本当の名前くらい教えてくれよ」
名前!?
本名だって!?
そんなことをいわれても、僕の名前は坂上修一ただ一つだ。
それ以外の名前は……。

困った。
風間さんが、僕のほうをじっと見ている。
何とかしなければ。
1.笑ってごまかす
2.風間さんの名前を聞いてみる
3.ほかのネタにふる
4.とりあえず踊ってみる