学校であった怖い話
>四話目(岩下明美)
>A4

あなた、いやに現実的じゃない。
でも、実際そんな噂が流れているわけじゃないから、あなたにこうやって聞いてもよくわからないわよね。
そのくらい、そのことを誰も知らないのよ。

不思議でしょ?
なぜだか、わかる?
それはね、生けにえになった人間を桜が自分でこの下に埋めてしまうのよ。

だから、死体は発見されないの。
それでも、人がいなくなるという事実は残るわよね。
なのに、ばれないのよ。
誰も、驚かないの。
先生も、友達も、家族も、誰一人として心配しないのよ。

なぜだと思う?
みんなの頭から、生けにえになった人の存在が消えてしまうのよ。
ようするに、その人が生きてきた過去や事実が、なぜかすべて抹消されてしまうの。

うふふ……。
最初から、いなかったことになってしまうのよ。
だから、誰も気づかない。
だから、誰も心配しない。
だって、そんな人のこと、誰も知らないんですもの。

それで、桜がどうして生けにえを必要とするのか知りたくない?
坂上君、興味ない?
1.興味ある
2.興味ない