学校であった怖い話
>七話目(風間・岩下)
>A2

「皆さん、今日は本当にありがとうございました。七人目がこなかったのが残念ですが、とても怖い話を聞けたので、いい記事ができそうです。時間も遅いですし、皆さん気をつけてお帰りください……」
僕はみんなに深々とおじぎした。

「長かったけどまあ面白かったぜ」
新堂さんだ。
風間さんが特徴的な笑いを浮かべていった。

「みんな、僕の怖い話が一番怖かっただろ?」
まあ、この集まりが無事終わるということで、風間さんのいうたわごとにもみんなにこにこしている。

ここにいるみんなは、少なからず怖い話が好きなはずだから七話目は聞けなくとも、十分満足したと思う。
怖い話そのものが、出席してくれたお礼みたいなもんだ。
そして、みんな帰り支度を始めている。

「じゃあな」
新堂さんが一番最初に部室のドアを開けた。
「わっ!」
突然、新堂さんが飛び上がった。
ドアの前には、一人の女の子が立っていた。

「……なんだよ、お前」
新堂さんが、彼女のことをなめるように見た。
「早苗ちゃん!」
ドアの前で通路をふさぐようにして立つ彼女の姿を見るや、新堂さんの後ろから、福沢さんが顔を覗かせた。

……早苗ちゃん?
早苗ちゃんて確か……。
1.早苗ちゃんのことを覚えている
2.早苗ちゃんて誰だ?